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全粒穀物消費量と心血管疾患、がん、全原因死亡および死因別死亡リスク: 用量反応メタ解析

全粒穀物消費量と心血管疾患、がん、全原因死亡および死因別死亡リスク: 用量反応メタ解析

 

   2016年、ノルウェー科学技術大学医学部、英国インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生学部、米国ハーバード公衆衛生大学院、ハーバード大学医学部、ノルウェー・ベルゲン大学、米国マウントサイナイ アイカーン医科大学、英国リーズ大学、ノルウェー・オスロ大学附属病院の研究者らが、“全粒穀物消費量と心血管疾患、がん、全原因死亡および死因別死亡リスク: 用量反応メタ解析”について報告をしたので、その論文概要を紹介します。

 

目的

   目的は、全粒穀物および特定穀物消費量と心血管疾患、全がん、全原因死亡および死因別死亡リスク間での用量反応関係を評価することです。

 

方法

   PubMedとEmbaseのデータベースから2016年4月3日までに公開された論文を検索しました。

 

   全粒穀物および特定穀物摂取量と心血管疾患、全がん、全原因死亡および死因別死亡との調整相対リスクの関連を報告した前向き研究45件(64論文)を特定し、ランダム効果モデルを用いて相対リスクおよび95%信頼区間(95%CI)を算出しました。

 

結果

   全粒穀物摂取量が1日90 g増加すれば(90 gは3食分に相当し、たとえば全粒パン2枚と全粒シリアル1杯または全粒ピタパン1.5枚)、相対リスクは冠動脈疾患0.81〔(リスクが19%低下するという意味で以下同様です)95%CI、0.75-0.87、I(2)=9%、n=7〕、脳卒中0.88(95%CI、0.75-1.03、I(2)=56%、n=6)、心血管疾患0.78(95%CI、0.73-0.85、I(2)=40%、n=10)それぞれで低下しました。

 

   また、死亡の相対リスクは、全がん0.85(95%CI、0.80-0.91、I(2)=37%、n=6)、全死亡0.83(95%CI、0.77-0.90、I(2)=83%、n=11)、呼吸器疾患0.78(95%CI、0.70-0.87、I(2)=0%、n=4)、糖尿病0.49(95%CI、0.23-1.05、I(2)=85%、n=4)、感染症0.74(95%CI、0.56-0.96、I(2)=0%、n=3)、神経疾患1.15(95%CI、0.66-2.02、I(2)­=79%、n=2)、非血管疾患または非がんによる死亡0.78(95%CI、0.75-0.82、I(2)=0%、n=5)で、それぞれ同様に低下しました。

 

   1日210〜225gまでの摂取量(7〜7.5食/日)では、多くの評価項目で相対リスクの低下が認められました。全粒パン、全粒朝食シリアル、ブラン添加など、特定の種類の全粒穀物およびパン全体ならびに朝食用シリアル全体で、心血管疾患や全死亡リスクの低下と関連は認めましたが、精製穀物、白米、米全体あるいは穀物全体では関連性はほとんど認められませんでした。

 

結論

   このメタ解析は、全粒穀物摂取量は冠動脈疾患、心血管疾患と全がん、および全死亡、呼吸器疾患、感染症、糖尿病、非血管疾患または非がんによる死亡のリスク低下と関連しているという更なるエビデンスを示します。

 

   これらの調査結果は、慢性疾患および早期死亡リスクを軽減するために、全粒穀物摂取量の増加を勧める食事のガイドラインを支持します。

 

 

参考資料:

Aune D, Keum N, Giovannucci E, Fadnes LT, Boffetta P, Greenwood DC, Tonstad S, Vatten LJ, Riboli E, Norat T. Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. BMJ. 2016 Jun 14;353:i2716. doi: 10.1136/bmj.i2716.

http://www.bmj.com/content/353/bmj.i2716

 

 

 

コメント

   この研究は、全粒穀物摂取量と慢性疾患および死亡リスクとの関連を調査するため2016年4月3日までに報告された前向き研究45件(64論文)を解析し、全粒穀物摂取量は冠動脈疾患、心血管疾患と全がん、および全死亡、呼吸器疾患、感染症、糖尿病、非血管疾患または非がんによる死亡のリスク低下と関連しているというエビデンスを示したことに意義があります。

 

   なお、この論文の序文に「全粒穀物は、繊維、ビタミンB群、鉄、マグネシウム、および亜鉛などいくつかの微量ミネラルの良い摂取源です。」と1ヶ所のみにしか言及していませんが、マグネシウムは明らかに慢性疾患および死亡リスク低下との関連があります。

 

   当ホームページでは、全粒穀物、マグネシウムと糖尿病、高血圧やメタボリックシンドロームなどとの密接な関係についても解説して来ました。

 

   MAG21研究会のホームページ右上には、検索 「Search」 がありますので、例えば検索用語として“全粒穀物”を入力して 「Search」 ボタンをクリックすると関連記事がリストアップされるのでご利用下さい。
 

 

 

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

 

 

 

 

 

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参考文献 −更新−

参考文献 −更新−

本日、参考文献の「英文 (アルファベット順A〜K)」に以下の文献を追加いたしました。文献内容は近日中にアップします。

 

全粒穀物消費量と心血管疾患、がん、全原因死亡および死因別死亡リスク: 用量反応メタ解析

 

NEW!   Aune D, Keum N, Giovannucci E, Fadnes LT, Boffetta P, Greenwood DC, Tonstad S, Vatten LJ, Riboli E, Norat T. Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. BMJ. 2016 Jun 14;353:i2716. doi: 10.1136/bmj.i2716.

http://www.bmj.com/content/353/bmj.i2716

 

 

 

 

 

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血圧に対するマグネシウムサプリメントの効果: ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のメタ解析

血圧に対するマグネシウムサプリメントの効果: ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のメタ解析

 

   2016年、米国インディアナ大学、中国Beijing Pinggu Hospital、米国スタンフォード大学、ハワイのマグネシウム教育研究センター、カナダ・マギル大学、福島県立医科大学の研究者らが、“血圧に対するマグネシウムサプリメントの効果: ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のメタ解析”について報告をしたので、その論文概要を紹介します。

 

背景

   マグネシウム(Mg)サプリメントの降圧効果は一貫した結論が得られていません。

 

目的

   目的は、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験から入手可能なエビデンスを統合し、血圧に対する経口マグネシウムサプリメントの効果を定量化することです。

 

方法

   MEDLINEとEMBASEのデータベースから2016年2月1日までに公開された成人計2,028人の正常血圧と高血圧に対するマグネシウムサプリメントの影響を34件の臨床試験データでメタ解析をしました。

 

   血圧と血清マグネシウム値の変化の加重平均差は、ランダム効果メタ解析により算出しました。

 

結果

   マグネシウムサプリメント中央値368 mg/日(範囲: 238〜960 mg/日)を中央値3ヶ月間 (範囲: 3 週間〜6 ヶ月間)摂取すると、収縮期血圧が2.00 mmHg(95%信頼区間、0.43–3.58)、拡張期血圧が1.78 mmHg(95%信頼区間、0.73–2.82)と有意に低下し、血清マグネシウム濃度はプラセボと比較して0.05 mmol/L(95%信頼区間、0.03、0.07)の上昇を認めました。

 

   平均して、血清マグネシウムが0.1 mmol/L上昇する毎に拡張期血圧が2.26 mmHg低下する関係が認められました(95%信頼区間、0.27–4.26; n=20件の臨床試験)。

 

   制限3次スプライン曲線を用いて、300 mg/日または1ヶ月間の摂取によるマグネシウムサプリメントは血清マグネシウム値上昇とともに有意な血圧低下を示し、血清マグネシウムは収縮期血圧でなく拡張期血圧と逆に関連が見られました(P < 0.05)。

 

   層別解析では、血圧のより大きな低下は、高品質のマグネシウムサプリメントまたは試験中の低い脱落率(P <0.05)の臨床試験で認められる傾向にありました。

 

   マグネシウムサプリメントの種類は、有機マグネシウムとして乳酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、pidolateマグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム、または無機マグネシウムとして酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウムでした。

 

結論

   この研究結果は、成人の血圧を下げることに対するマグネシウムサプリメントの因果効果を示しています。

 

 

参考資料:

Zhang X, Li Y, Del Gobbo LC, Rosanoff A, Wang J, Zhang W, Song Y. Effects of Magnesium Supplementation on Blood Pressure: A Meta-Analysis of Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trials. Hypertension 68:324-333, 2016

http://hyper.ahajournals.org/content/68/2/324.long

 

 

 

コメント

   今までに多くの疫学調査、臨床試験によるマグネシウムと血圧に関して報告されています。

 

   しかし、この研究は、血圧に対するマグネシウムサプリメントの効果を調査するため、2016年2月1日までに報告された臨床試験でランダム化二重盲検プラセボ対照試験34件のデータを統合して解析したものです。

 

   降圧剤のような大きな効果は認められませんが、マグネシウムサプリメントによる摂取量368 mg/日は血清マグネシウム値を有意に上昇させ、収縮期血圧を2.00 mmHgと拡張期血圧を1.78 mmHgと有意に低下させ、血清マグネシウムが0.1 mmol/L上昇する毎に拡張期血圧が2.26 mmHg低下することを報告したことに意義があります。

 

   なお、メタボリックシンドロームの診断基準の血圧値は、いわゆる高血圧の基準である140/90 mmHg以上ではなく、130かつまたは85 mmHg以上です。この点は非常に興味ある点で、マグネシウム摂取不足とメタボリックシンドローム発症リスクとの関連があることと深く関係すると考えられます。

 

   当ホームページでは以下のサイトで、マグネシウムと血圧、降圧などの関係についてご紹介してきました。

 

2016.06.18 マグネシウムの治療用途

2016.04.29 食事性マグネシウム摂取量は心血管疾患リスクの高い成人の死亡率と逆相関

2016.04.08 なぜわが国の2型糖尿病が戦後激増したのでしょうか?

2016.01.06 平成26年国民のマグネシウム摂取量

2015.10.20 『壮快』 2015年12月号に横田先生の記事

2015.08.04 マグネシウム摂取量は冠動脈石灰化と逆関連: フラミンガムハートスタディー

2015.04.20 WHO 飲料水の硬度

2014.12.18 2型糖尿病患者の低マグネシウム血症問題

2014.11.15 女性の血清マグネシウム値と虚血性脳卒中リスク

2014.09.03 米国の脳卒中地帯とマグネシウム

2014.08.13 食事性マグネシウム摂取とメタボリックシンドローム発症リスク: メタ解析

2014.07.23 米国の糖尿病2900万人超−米CDC公表

2014.06.03 日本人のカルシウムとマグネシウムの食事摂取比率は2より低く、1.5〜1が望ましい

2014.05.14 日本人の食事摂取基準(2015年版)

2013.05.01  奇蹟のマグネシウム
2013.03.28 そばのひ孫と孫(は)優しい子かい? 納得!

2013.02.18 マグネシウムと健康:栄養、医薬品、環境の観点から

2012.11.27 米国における準最適マグネシウムの栄養状況:健康状態が過小評価されている?

2012.02.21 特集:マグネシウムと生活習慣病

特集:マグネシウムと生活習慣病 日本人の食生活はマグネシウム不足

2012.01.24 塩化マグネシウム補充による降圧効果の臨床試験

マグネシウム補充による低マグネシウム血症を伴った糖尿病高血圧成人の降圧効果: 無作為化二重盲検、プラセボ対照臨床試験

2011.03.09 米国FDA注意喚起 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期服用で低Mg血症の可能性

2011.01.27 マグネシウム摂取とメタボリックシンドロームの関係

2009.12.29 生活習慣病に対するミネラル栄養の重要性 Mg(マグネシウム)

2009.08.25 経口マグネシウムサプリメントは軽症高血圧患者の24時間血圧を低下

2009.06.02 血清および食事性マグネシウムと虚血性脳卒中のリスク

血清および食事性マグネシウムと虚血性脳卒中のリスク: コミュニティー研究の動脈硬化症リスク

2009.05.07 米国成人の食事性マグネシウム摂取量

2009.04.20 高血圧治療ガイドライン2009

2008.11.20 マグネシウム健康読本

2008.07.29 マグネシウムの降圧作用

2008.06.03 『第51回日本糖尿病学会』で横田先生が発表

2008.05.01 『治療学』に横田先生の論文が掲載

2008.03.05 マグネシウムサプリメントの血圧への効果

2008.02.28 低血清マグネシウムとメタボリックシンドローム

2008.02.16 日系ハワイ人のマグネシウム摂取と血圧の関係

2008.02.12 経口マグネシウムサプリメントの血圧、血清脂質への効果

2008.02.01 飲料水中のマグネシウムが高血圧に及ぼす影響

2008.01.23 WHO報告書 『飲料水中の栄養素』−その2−

2008.01.22 WHO報告書 『飲料水中の栄養素』−その1−

2007.08.24 マグネシウムの力 高血圧にはマグネシウム!

2007.08.24 マグネシウムの力 マグネシウムとメタボリックシンドローム

2007.08.20 メタボリックシンドロームの予防 −その1−

2007.08.13 なぜマグネシウム不足?

 

 

 

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

 

 

 

 

 

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参考文献 −更新−

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本日、参考文献の「英文 (アルファベット順L〜Z)」に以下の文献を追加いたしました。文献内容は近日中にアップします。

 

血圧に対するマグネシウムサプリメントの効果: ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のメタ解析

 

NEW!   Zhang X, Li Y, Del Gobbo LC, Rosanoff A, Wang J, Zhang W, Song Y. Effects of Magnesium Supplementation on Blood Pressure: A Meta-Analysis of Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trials. Hypertension 68:324-333, 2016

http://hyper.ahajournals.org/content/68/2/324.long

 

 

 

 

 

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マグネシウムを上手にとって糖尿病を予防しよう!

マグネシウムを上手にとって糖尿病を予防しよう!

 

   MAG21研究会のメンバーで東京慈恵会医科大学 教授 横田邦信先生が監修の『マグネシウムを上手にとって糖尿病を予防しよう!』が現代書林から平成28(2016)年7月9日に発売されたのでお知らせします。

 

マンガでわかる!シリーズ

 

マグネシウムを上手にとって糖尿病を予防しよう!

 

〜血糖値の上昇を防ぐ“簡単で美味しい”食生活〜

 

【マンガストーリー】

   佐藤家は両親と子ども2人の4人家族。佐藤さんは昨年の健康診断で糖尿病予備軍と診断されたので、食事に気をつけていました。そのおかげで体重が減り、今年の健診は自信を持って臨んだのですが、結果は昨年より血糖値が上がっていたのでした。

 

   佐藤さんは夫婦で健康管理の相談のため病院を訪れたところ、担当した医師は東京慈恵会医科大学教授の横田邦信先生。横田先生は日本人に特有の糖尿病発症の要因は「食事からのマグネシウムの不足」であると指摘。糖尿病の予防と改善にマグネシウムを豊富に含んだ食事をとるように指導しました。その結果、半年後には佐藤さんの血糖値は基準値に戻ったのでした。

 

マグネシウムを上手にとって糖尿病を予防しよう!

横田邦信 監修/東京慈恵会医科大学教授・医学博士

松浦まどか 漫画

 

2016年7月9日 初版第1刷

A5判並製中綴じ

16ページ

定価:本体500円(税別)

 

現代書林/発行

東京都新宿区原町3-61桂ビル

TEL: 03-3205-8384

URL http://www.gendaishorin.co.jp/ 

 

このマンガ小冊子の購入や内容に関するお問い合わせ先です。

現代書林 担当/萩原

TEL: 03-3205-8040

e-mail hagiwara@gendaishorin.co.jp

 

 

10-180 Mgマンガ冊子表紙

 

* 図をクリックすると拡大表示します。

 

 

【監修者プロフィール】(本より引用)

横田邦信(よこたくにのぶ)

東京慈恵会医科大学教授。同大学附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科診療医長、医学博士。

1951年生まれ、1984年東京慈恵会医科大学大学院を卒業後、富士市立中央病院内科医長、横須賀北部共済病院内科部長を経て、2001年東京慈恵会医科大学助教授、2010年より現職。これまで務めた役職として、日本生活習慣病予防協会参事、日本健康予防医学会理事、日本糖尿病学会学術評議員、日本マグネシウム学会理事。2007年マグネシウムの啓発を目的に、MAG21研究会(http://mag21.jugem.jp/)を共同設立した。

著書に「マグネシウム健康読本」(現代書林)、「糖尿病ならすぐに「これ」をたべなさい!」、「糖尿病ならすぐに「これ」をたべなさい!レシピ」(主婦の友社)、監修書に「血糖値が高い人のカラダに効く食べ方」(日本文芸社)がある。

 

 

 

【コメント】

   横田邦信先生が監修の『マグネシウムを上手にとって糖尿病を予防しよう!』は、特に糖尿病予備軍で何とか改善したい、予防したい方など皆様に解り易くマンガを使って書かれているので是非ご一読をお勧めします。

 

   マグネシウムはカルシウムの蔭に隠れて来た長い歴史があります。わが国の国民一人当たりのカルシウム摂取量は、厚生省(当時)が国民栄養の現状として戦後1946年来毎年調査報告し、厚生労働省が国民健康・栄養調査として2003年来毎年調査報告しています。一方マグネシウム摂取量は、カルシウムの調査報告より55年後の2001年から厚生省が調査報告を開始しました。カルシウムと比較し、マグネシウムはそれほど研究されていない“オーファン栄養素(Orphan nutrient)”です。この為、マグネシウムに関する国の認知が相当遅れたため国民の認知が更に遅れています。

 

2016.04.08 なぜわが国の2型糖尿病が戦後激増したのでしょうか?

 

2016.03.31 食事から摂るカルシウムとマグネシウムの比率はどのくらいが望ましいですか?

 

2016.01.06 平成26年国民のマグネシウム摂取量

 

   マグネシウムは健康にとってとても重要な必須・主要ミネラルです。にも拘わらず、長年にわたりほとんどの医師がこの不可欠なミネラルの血中マグネシウムを測定することもしませんし、様々な臨床症状も見過ごして来たのが現実です。

 

   マグネシウム不足は虚血性心疾患、高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロ−ムなどの生活習慣病、喘息、不安とパニック発作、うつ病、(慢性)疲労、片頭痛、骨粗鬆症、不眠症、こむら返り、PMS(月経前症候群)、胆石症、尿路結石、大腸がん、すい臓がん、動脈硬化、全身性炎症性疾患そして悪阻など様々な疾病・病態とも密接に関連しています。

 

 

 

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

 

 

 

 

 

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線維筋痛症患者の生活の質に対する経皮的塩化マグネシウムの効果: 予備的研究

線維筋痛症患者の生活の質に対する経皮的塩化マグネシウムの効果: 予備的研究

 

   2015年に米国のメイヨー・クリニックの研究者らが、“線維筋痛症患者の生活の質に対する経皮的塩化マグネシウムの効果: 予備的研究”について報告をしたので、その論文概要を紹介します。

 

背景

   線維筋痛症は、慢性疼痛、疲労、うつ病と睡眠障害を特徴とする症候群ですが、その主な原因は不明です。いくつかの研究で、線維筋痛症の患者は、細胞内マグネシウム濃度が減少し、マグネシウム濃度と線維筋痛症の症状との間に負の相関が報告されています。

 

   注釈: 線維筋痛症については、一般社団法人日本線維筋痛症学会のホームページをご参照ください。 http://jcfi.jp/

 

目的

   目的は、経皮マグネシウムが線維筋痛症を患っている女性の生活の質を改善することができるかどうかについての予備データを集めることです。

 

デザイン、設定、参加者と介入

   これは、三次医療センターの線維筋痛症クリニックにおける患者のアンケート調査です。

 

   線維筋痛症と診断された女性患者40人の参加者を登録しました。各参加者に経皮塩化マグネシウム溶液入りスプレー瓶を提供し、4週間1日2回手足当たり4回の噴霧を指示しました。溶液の成分は、水、塩化マグネシウム、そして吸収を促進するために独自の微量ミネラル(ホウ素、セレン、マンガン、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム)を混合しています。液量30 ml当たりマグネシウム量約3000 mg、8回の噴霧でマグネシウム100 mgが含まれます。

 

   参加者に、試験開始時、2週目と4週目に線維筋痛症質問票(SF-36v2健康調査)および生活の質に関するアンケート調査を依頼しました。

 

結果

   患者24人が研究を完了しました(年齢57.2±7.6年、白人95%、平均体格指数31.3 kg/m2)。

 

   治療意図解析では、2週目と4週目に線維筋痛症質問票の合計スコアが有意に改善しました(P = 0.001)。プロトコルごとの分析結果は同様で、2週目と4週目に線維筋痛症質問票の合計スコアが有意に改善しました(P = 0.001)。

 

   注釈: 治療意図解析(intention-to-treat analysis)は、臨床試験において効果を統計学的に分析する方法の一つで、プロトコル(治験実施計画書)で当初割り付けられた通りに解析することです。

 

結論

   この予備的研究結果は、手足に噴霧された経皮塩化マグネシウムが線維筋痛患者に有益であることを示唆しています。

 

臨床試験登録: ClinicalTrials.gov.ldentifier NCT01968772.

 

 

参考資料:

Engen DJ, McAllister SJ, Whipple MO, Cha SS, Dion LJ, Vincent A, Bauer BA, Wahner-Roedler DL. Effects of transdermal magnesium chloride on quality of life for patients with fibromyalgia: a feasibility study. Journal of Integrative Medicine 13:306-313, 2015. doi: 10.1016/S2095-4964(15)60195-9.

http://www.jcimjournal.com/jim/showAbstrPage.aspx?...

 

 

 

コメント

   経皮塩化マグネシウムが線維筋痛症患者(慢性疼痛、疲労、うつ病と睡眠障害など)の生活の質を改善する可能性があるとの報告です。更なる研究により、経皮塩化マグネシウムが線維筋痛症患者に使われるのを期待します。さらに、塩化マグネシウムの経皮的用法で関節痛や筋肉痛の軽減も知られていますが、日本ではまだまだ一般的ではありません。

 

   当ホームページでは以下のサイトで、マグネシウムと疼痛、疲労、うつ病と睡眠障害などの関係についてご紹介してきました。

 

2015.09.16 うつ病のリスク因子としての精製炭水化物の摂取: 女性の健康イニシアチブ研究

2015.03.11 マグネシウム投与による大うつ病の早期回復

2014.10.01 アスリートとマグネシウム

2013.05.01 奇蹟のマグネシウム
2012.08.17 白米摂取と2型糖尿病リスクの関係
2011.11.17 高齢2型糖尿病患者のうつ治療における経口マグネシウムサプリメントの有効性と安全性: ランダム化、同等性試験
2011.11.07 高齢の糖尿病患者のうつ症状と低マグネシウム血症

2011.08.10 熱中症とマグネシウム

2011.03.09 米国FDA注意喚起 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期服用で低Mg血症の可能性

2010.04.06 『日経ヘルス』2010年春号に横田先生の記事が掲載

2008.11.20 マグネシウム健康読本

2008.05.01 『治療学』に横田先生の論文が掲載

2007.09.26 マグネシウムQ&A Q7

2007.08.13 なぜマグネシウム不足?

 

 

 

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

 

 

 

 

 

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参考文献 −更新−

参考文献 −更新−

本日、参考文献の「英文 (アルファベット順A〜K)」に以下の文献を追加いたしました。文献内容は近日中にアップします。

 

線維筋痛症患者の生活の質に対する経皮的塩化マグネシウムの効果: 予備的研究

 

NEW!   Engen DJ, McAllister SJ, Whipple MO, Cha SS, Dion LJ, Vincent A, Bauer BA, Wahner-Roedler DL. Effects of transdermal magnesium chloride on quality of life for patients with fibromyalgia: a feasibility study. Journal of Integrative Medicine 13:306-313, 2015. doi: 10.1016/S2095-4964(15)60195-9.

http://www.jcimjournal.com/jim/showAbstrPage.aspx?...

 

 

 

 

 

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マグネシウムの治療用途

マグネシウムの治療用途

 

   2009年、米国コネチカット大学医学部、ペンシルバニア大学看護学部、ペンシルバニア大学医学部の研究者らの“マグネシウムの治療用途”についての総説がAmerican Family Physician(アメリカ家庭医)雑誌に掲載されたので、その論文概要を紹介致します。

 

   マグネシウムは、代謝機能を最適化するために必須なミネラルです。調査では、食物由来のマグネシウムのミネラル含有量が減少していることとマグネシウムの減少は、ある種の慢性疾患を有する人に認められています。研究では、子癇および子癇前症、不整脈、重度の喘息、片頭痛でマグネシウムの有効性が示されています。他の分野で有望な結果が示されているのは、メタボリックシンドロームのリスク低下、グルコースおよびインスリン代謝の改善、月経困難症の症状緩和、妊婦の脚のけいれん(こむら返り)の軽減などがあります。便秘や消化不良に対するマグネシウムの使用はエビデンスが限られていますが、標準治療として受け入れられています。マグネシウムは適切な用量で投与された患者においては安全ですが、高用量で有害作用を引き起こす可能性があります。マグネシウムは腎臓で排泄されるので、腎疾患患者には慎重に使用する必要があります。食物由来のマグネシウムとしては、緑葉野菜、ナッツ、豆類、全粒穀物があります。

 

薬理学

   マグネシウムは細胞内で2番目に豊富な2価の陽イオンで、体内300以上の代謝反応のための補因子です。これらの代謝過程に、タンパク質合成、細胞のエネルギー産生と貯蔵、細胞の成長と再生、DNAとRNAの合成、ミトコンドリア膜の安定化などで関与しています。マグネシウムは、骨代謝、心臓興奮性、神経・筋伝達、筋収縮、血管運動神経性緊張と血圧に重要な役割を果たすミネラルの1つです。マグネシウムはまた、主にチロシン・キナーゼ活性、ホスホリラーゼβキナーゼ活性、ブドウ糖輸送タンパク質の活性へ影響を及ぼし、ブドウ糖とインスリンの代謝に重要な役割を果たしています。マグネシウム含有のサプリメントは、これらの状況に治療効果が期待できます。

 

子癇と子癇前症

   硫酸マグネシウム(静注および筋注)は数十年間、標準治療薬として子癇および子癇前症の治療に比較的有効性が高いと評価されています。マグネシウムの使用は、短期的には母親や乳児に有害な影響を及ぼすことはありません。

 

不整脈

   静脈内マグネシウムの使用は、トルサ・ド・ポアン型のまれな心室頻拍を補正するために良く知られた治療方法です。メタ解析の結果として、静脈内投与で硫酸マグネシウム1.2〜10gの急速な心房細動の急性期管理のために安全で効果的な治療方法であることが示唆されています。6週間の無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、経口マグネシウムの補充が冠動脈疾患に続発する安定性うっ血性心不全患者で見られる無症候性心室不整脈の頻度を減少させることが示されました。

 

喘息

   コクラン・レビュー2005年において、急性喘息でβ2アゴニストに加えて吸入硫酸マグネシウムの使用は、マグネシウム噴霧が肺機能を改善し、入院日数がより少なくなる傾向が示されました。

 

頭痛

   群発性頭痛と典型的或いは一般的な片頭痛、特に月経片頭痛の患者は、血中マグネシウム濃度が低いことが調査で明らかになりました。ドイツで行われた前向き多施設二重盲検無作為化試験で、経口クエン酸マグネシウム1日1回投与量600 mgはプラセボと比較して大幅に片頭痛の頻度を減少させたことが示されましたが、1日2回の低い投与量では効果が認められませんでした。片頭痛の急性期治療のための静脈内硫酸マグネシウム投与は、前兆患者におけるすべての症状の治療において統計学的に有意な改善を示しました。

 

消化不良

   自己治療の選択肢としてもう一つの一般的な症状は胃食道逆流症(GERD)です。無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、制酸剤ハイドロタルサイト(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸塩、水)の治療がファモチジン(ペプシド)またはプラセボよりも有効であることが示されました。

 

便秘

   しばしば患者は、自身で市販薬の水酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウムなどで便秘の処置をしています。

 

その他

   マグネシウムは、カリウム、果物、野菜、または経口サプリメントを組み合わせた食事成分として骨密度を維持、または向上させることに深く関与しています。ある研究では、成人18〜30歳のより高いマグネシウム摂取量はメタボリックシンドロームを発症するリスクが低いことが示唆されています。さらに、別の研究では、低マグネシウム血症と成人におけるメタボリックシンドロームとの間に正の相関が示されました。

 

用量

   経口マグネシウムサプリメントは、成人1日あたり350 mg(マグネシウム元素量として)の上限摂取量以下の使用用量であれば安全です。食事性マグネシウムには摂取量の上限はありません。マグネシウムは、子供1〜3歳1日あたり65 mgの耐容上限摂取量を下回る用量、子供4〜8歳1日あたり110 mg、および子供8歳以上1日あたり350 mgの使用量が安全です。

 

 

参考資料:

Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009

http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html

 

 

 

コメント

   本総説論文は2009年にアメリカ家庭医雑誌に掲載されたものです。食物由来のマグネシウム含有量が減少しているのは、アメリカのみならずわが国でも認められています。特にわが国では、戦後の主食からのマグネシウム摂取源である大麦・雑穀等の穀物摂取量の激減により、糖尿病の有病率が激増しています。マグネシウムは、ブドウ糖とインスリンの代謝に重要な役割を果たしています。マグネシウムは、食事からの摂取量の上限がありませんので、日頃から積極的に摂取して、糖尿病などの生活習慣病の予防と改善に役立てていただきたいものです。

 

 

 

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

 

 

 

 

 

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参考文献 −更新−
参考文献 −更新−

本日、参考文献の「英文 (アルファベット順A〜K)」に以下の文献を追加いたしました。文献内容は近日中にアップします。
 
マグネシウムの治療用途

 
NEW!   Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009
http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html





 
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『日経ヘルス』 2016 Juneに横田先生のコメント
『日経ヘルス』 2016 Juneに横田先生のコメント
 
   MAG21研究会のメンバーで東京慈恵会医科大学教授 横田邦信先生のマグネシウムに関するコメントが、

『日経ヘルス』 一生太らない!食べ方の魔法

2016年6月号 128ページからの記事に掲載されたのでお知らせいたします。
 
ご興味のある方は、是非ご一読をお勧めします。
 
【内容の一部】

 
大豆たんぱく質・イソフラボン・マグネシウム・カルシウム・・・・・・

 
大豆にがりのダブルパワーで

女性の不調

トータルにサポート
 
大豆の機能成分に、にがり由来のマグネシウム。
豆腐は、骨の健康から、女性ホルモンのトラブル、
イライラの解消まで、女性を守る強い味方だ。

 
 
全身の代謝調整に不可欠なマグネシウム
 
海水から塩を作る時にできる“にがり”には、マグネシウムなどの必須ミネラルが凝縮。
 
にがりの健康効果

1   お通じを改善して下腹すっきり

マグネシウムは腸の中で水分を引き寄せて便を軟らかくし、出しやすくするので便秘薬としても使われている。同時に脂肪の吸収を抑えるので、下腹ぽっこりも解消。
 

2   代謝をアップし、糖尿病リスクを下げる

マグネシウムが糖や脂肪の代謝に必要な酵素の働きを活発にして、太りにくい体に。エネルギー消費量を高める効果も期待できる。インスリンの効きの悪さ(インスリン抵抗性)を改善。
 

3   ストレスを軽減、うつ症状にも

ストレスが加わると尿中にマグネシウムが排出されてしまうので、ストレスが強い人は十分な補給が必要。イライラを解消。うつ症状の軽減に有効との報告も。
 
 
日経BP社発行『
日経ヘルス』に関する連絡先です。
〒108−8646 東京都港区白金1−17−3
日経ヘルス

http://wol.nikkeibp.co.jp/
 
10-179 日経ヘルス201606月号 
 
* 図をクリックすると拡大表示します。
 


【コメント】
   横田邦信先生は、『日経ヘルス』 一生太らない!食べ方の魔法 (2016年5月2日発行)で、日頃からマグネシウムを十分に摂ると便秘の改善、代謝をアップして糖尿病リスクを下げ、ストレス・うつ症状を軽減するなど女性を守る強い味方として、独自の臨床データ、共同研究論文などを根拠にコメントしています。
 
   当ホームページでは、これら研究者らの文献についても解説して来ました。

 
2007.10.19 マグネシウムの食後高脂血症に及ぼす影響
 
2009.01.19 マグネシウムの脂肪細胞分化に及ぼす影響
 
2010.02.24 健常ヒト被検者の食後血清脂質反応に対するマグネシウムの影響
 
   横田先生らの臨床研究では、“MAG21”という天然高濃縮マグネシウム液の素材を使って報告をしています。
 
(注) 臨床研究では、西オーストラリア・デボラ湖産のマグネシウム含有量が極めて豊富、カリウムが比較的多く、更にナトリウムとカルシウムが極めて少ない天然高濃縮マグネシウム水の原料(100ml当りマグネシウム10478mg、カリウム1179mg、ナトリウム245mg、カルシウム10.4mg)を使用しています。なお、研究論文では、“MAG21”として以下の論文に報告しています。

 
Yokota K, Kato M, Lister F, et al., Clinical Efficacy of Magnesium Supplementation in Patients with Type 2 Diabetes. J Am Coll Nutr 23:506S-509S, 2004
http://www.jacn.org/cgi/reprint/23/5/506S
 
Kishimoto Y, Tani M, Uto-Kondo H, Saita E, Iizuka M, Sone H, Yokota K, Kondo K. Effects of magnesium on postprandial serum lipid responses in healthy human subjects. British Journal of Nutrition 103:469-72, 2010 Feb; Epub 2009 Nov 27.

 
 
 
マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。
 



 
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