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米国の脳卒中地帯とマグネシウム
米国の脳卒中地帯とマグネシウム
 
   2013年、米国インディアナ大学ブルーミントン校公衆衛生学部発行「Dimensions」誌に同大学疫学・生物統計学科 主任教授 Ka He先生の“脳卒中地帯の理解”についても記事が掲載されているので、その概要を以下に紹介します。
 
   Ka He教授は2012年、脳卒中地帯(脳卒中関連の死亡率が異常に高い地域)の住民の脳卒中リスクに関連した微量ミネラルの分布調査をする為に国立衛生研究所(NIH)から5年間230万ドル(およそ2億3000万円、1$=100円として換算)の研究助成を受けました。
   この研究では、血液あるいは尿中レベルの微量ミネラル マグネシウム、セレンおよび有毒重金属ヒ素、カドミウム、水銀に焦点を当てています。
 
   Ka He教授は数年前、米疾病管理予防センター(CDC)が作成した脳卒中地帯を示している米国の地図を見て、直ぐにグーグル検索にて見つけた土壌中のマグネシウム濃度を示した米国の地図を見比べたところ、意外にも脳卒中が集中している地域では土壌中のマグネシウムが著しく低い濃度であることに注目しました。
 
   米国南東部における脳卒中地帯が異常に高い脳卒中死亡率の地域として半世紀前に米疾病管理予防センターによって特定されました。この地域は、インディアナ州、ケンタッキー州、テネシー州、バージニア州、ノースカロライナおよびサウスカロライナ州、ジョージア州、ミシシッピ州、アラバマ州とアーカンソー州が含まれています(地図の
赤色部分)。
 

10-155 US Stroke belt 
 
   「今まで多くの研究が微量ミネラルに注目していたとは思えず、いくつかの研究では単一要素を見るだけだったので、我々は5、6の要素が相互に関連があると確信し一緒に調査しています。」とHe教授は述べています。
 
   マグネシウムが保護的か、脳卒中を含む心血管疾患のリスクを低下させることを示唆するいくつかの研究を発表しています。
 
   現在まで、He教授とアラバマ大学の共同研究者らは数千もの血液と尿サンプルを収集し、ミズーリー大学コロンビア校の研究者らが分析しています。
 
   研究結果から、脳卒中地帯の住民への教育、住民にマグネシウムのサプリメントを補充するなど重要かつ潜在的に有効な公衆衛生と公共政策が進められる可能性があると示唆しています。
 
   もし、うまくいけばガイドラインを策定し、医師に患者の血液と尿中の栄養素と毒素を確認する一方で、農学者に有害化学物質を低レベルに土壌改良するなどを指示できる可能性があります。
 
 
参考文献:
He K, Understanding the Stroke Belt. Dimensions, Indiana University School of Public Health-Bloomington, 4-6, 2013

http://www.publichealth.indiana.edu/docs/magazines/2013...
 
 
 
【コメント】
   米国南東部11州を含む脳卒中地帯が1962年に米疾病管理予防センター(CDC)によって特定されましたが、なぜこの地域の住民の脳卒中と心血管疾患死亡率が他の地域より異常に高いかの理由は解明されていません。
 
   He教授らは、初めて脳卒中地帯の土壌中のマグネシウム濃度が著しく低下している点、脳卒中と心血管疾患とマグネシウムには深い関係がある点に着目し、国立衛生研究所(NIH)から5年間の研究助成を受け、既に研究が進められているのは、多くの関係者と当該地域住民に大変期待されています。
 
   なお、He教授は2012年5月、日本糖尿病学会(会長 渥美義仁先生)の招聘により来日し、‘本糖尿病学会年次学術集会ランチョンセミナー、同学会シンポジウム、F本糖尿病学会関東甲信越支部学術集会(支部長 宇都宮一典先生)それぞれで講演されました。この講演でも米国の脳卒中地帯の問題について少しですが説明されました。
 
   MAG21研究会のホームページでは、He教授らの論文などに関しても解説して来ました。

 
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2012.05.22  Ka He先生略歴と講演抄録 

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