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女性の血清マグネシウム値と虚血性脳卒中リスク
女性の血清マグネシウム値と虚血性脳卒中リスク
 
   2014年、米国ハーバード大学公衆衛生学部およびBrigham and Women's Hospitalの研究者らは、女性の血清マグネシウム値と虚血性脳卒中リスクに関する報告をしたので、その論文概要を以下に紹介します。
 
背景と目的:
   低マグネシウム値は高血圧および内皮機能障害に関連する可能性がありますが、少ない前向きデータで脳卒中のリスク解析に利用可能です。
 
方法:
   1989〜1990年に血液サンプルを提供したNurses’ Health Study(1976年に開始されたアメリカの看護師健康調査、登録時30〜55歳121700人)の参加者32826人で、虚血性脳卒中の発症は2006年まで医療記録によって確認しました。年齢、人種/民族、喫煙状況、採血日、絶食状態、閉経状態およびホルモン使用に対照と1対1にマッチした459例(1990年のベースライン時平均年齢60.8歳)のコホート内症例対照分析を行いました。条件付ロジスティック回帰モデルを用い、虚血性脳卒中および虚血性脳卒中サブタイプのリスクと血中マグネシウムの多変量調整後の関連性を評価しました。
 
研究集団の症例・対照(コントロール)特徴(1990年時、一部抜粋)

10-160 研究集団の症例対照 
数値は平均で示します。
HbA1c 糖化ヘモグロビン、CRP 高感度C反応性蛋白。

 

* 図表をクリックすると拡大表示します。

 
結果:
   虚血性脳卒中症例と対照との間にマグネシウム値の中央値に差はありませんでした(両者中央値、0.86 mmol/L(2.09 mg/dL)、P =0.14)。
   各因子のマッチングの条件で、最も高い五分位での女性と比較して最も低いマグネシウム五分位での女性は、全虚血性脳卒中の相対リスク1.34(1.34倍高いと言う意味です)でした。危険因子および交絡因子の追加調整では、実質的に全虚血性脳卒中に対するリスク評価を変えませんでした。
   マグネシウム値0.82 mmol/L(1.99 mg/dL)以上の女性と比較してマグネシウム値0.82 mmol/L(1.99 mg/dL)未満の女性は、全虚血性脳卒中(多変量相対リスク、1.57(1.57倍高いと言う意味です); 95% CI, 1.09–2.27; P=0.01)および血栓性脳卒中(多変量相対リスク、1.66(1.66倍高いと言う意味です); 95% CI, 1.03–2.65; P=0.03)が有意に高いリスクを持っていました。
   年齢、体格指数、高血圧、または糖尿病による有意な効果修飾は観察されませんでした。
 
コメント: 米国の正常血清マグネシウム値 0.74〜0.95 mmol/L (1.8〜2.3 mg/dL)
      日本の正常血清マグネシウム値 0.74〜1.07 mmol/L (1.8〜2.6 mg/dL)
 
結論:
   低マグネシウム値は、女性の虚血性脳卒中のリスクを高める可能性があります。
 
 
参考資料:
Akarolo-Anthony SN, Jiménez MC, Chiuve SE, Spiegelman D, Willett WC, Rexrode KM. Plasma magnesium and risk of ischemic stroke among women. Stroke 45:2881-2886, 2014

http://stroke.ahajournals.org/content/45/10/2881
 
 
 
コメント
   この研究の研究者らによると血清マグネシウム値と虚血性脳卒中リスクの関係は今迄に前向きコホート調査が1報のみ報告(最も高いマグネシウム値五分位では虚血性脳卒中リスクが25%低下)されているので、今回は更なるエビデンスを提供する為にアメリカの看護師健康調査を基に研究結果を報告しました。
 
   今回の報告では、血中マグネシウム値が低い女性は全虚血性脳卒中リスクが1.57倍高く、血栓性脳卒中リスクが1.66倍高くなると報告されたのは大変興味深いものが有ります。
 
   日本でも血中マグネシウム値が低い男性と女性が存在しますが、2つの問題点が有ります。まず、一般的にマグネシウムの重要性について認知が低い為、臨床現場に於いて患者さんの血中マグネシウムを測定する医師が少ないことです。次に、わが国で臨床検査に使用しているマグネシウムの基準値がメタボ予備軍を含む従来のままで完全健常者による基準値の再策定がされて無い為、下限値(日本の正常血清マグネシウム値 1.8〜2.6 mg/dLですが、1.8〜2.0当り)があまく設定されている為に低マグネシウム血症の患者さんが見逃されていると思われます(横田邦信、2007119日 第27回日本マグネシウム学会総会で発表)。この問題は、早く解決し、現代に沿った正しいマグネシウム基準値の下で臨床に使用されるべきであると願っています。
 
   米国では、南東部11州を含む脳卒中地帯が1962年に米疾病管理予防センター(CDC)によって特定されましたが、なぜこの地域の住民の脳卒中と心血管疾患死亡率が他の地域より異常に高いかの理由は解明されてなく、He教授らが初めて脳卒中地帯の脳卒中と心血管疾患とマグネシウムの関係について精力的に研究を進めています。

2014.09.03    米国の脳卒中地帯とマグネシウム
 
 
 
マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。





 
| MAG21研究会 | MAG21研究会からのお知らせ | 09:00 | comments(2) | - |
リエ様

MAG21研究会のHPを閲覧して戴き、また、コメント欄にご質問をお寄せ戴きまして誠にありがとうございました。

ヨークシャテリア、6歳、リンパ管拡張症と診断され低マグネシウム値で痙攣のような症状も起こしたので、マグネシウムサプリメントのアドバイスをお願いしたいとのご要望に対し、以下にアドバイス致します。

まず、私達は動物の専門ではございませんので、専門の獣医師にご相談されるのがベストと思います。お役にたてず恐縮です。

ただ、マグネシウムサプリメントをご検討されているのでしたら、錠剤タイプのマグネシウムより吸収が良いリキッドタイプがベターと思います。色々なマグネシウムサプリメントが販売されていますが、リキッドタイプの栄養機能食品(マグネシウム)を摂ることをお奨め致します。

当ホームページでは、マグネシウムの啓発活動に特化しておりますので、関連商品等のご紹介はしておりません。

しかし、MAG21或いは市販されているマグネシウム製品の情報などに関しましては、住所、氏名、メールアドレスなどのご連絡先をご記入の上以下のメールアドレス宛にお送りください。
追ってご返信させて戴きますので、宜しくお願い申し上げます。

MAG21研究会 e-mail: mag21@pmrkk.jp

MAG21研究会より
| MAG21研究会 | 2014/11/19 11:29 AM |
飼い犬のことで恐縮ですが、ヨークシャテリアという6歳の犬を飼っていて、リンパ管拡張症という病気で闘病中です。
この病気のヨークシャテリアはほかの犬より9.2倍の確率で低マグネシウム血症、低ビタミンD血症になるとの論文があり心配していたのですが、やはり血清マグネシウムが基準値より低下しており、先日痙攣のような症状も起こしました。
マグネシウムサプリメントを取り入れたいのですが、良いアドバイスがございましたらお願い致します。
ちなみに、私はキレートマグネシウムサプリメントを服用しており、効果を感じています。
| リエ | 2014/11/18 12:33 PM |