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全粒穀物消費量と心血管疾患、がん、全原因死亡および死因別死亡リスク: 用量反応メタ解析

全粒穀物消費量と心血管疾患、がん、全原因死亡および死因別死亡リスク: 用量反応メタ解析

 

   2016年、ノルウェー科学技術大学医学部、英国インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生学部、米国ハーバード公衆衛生大学院、ハーバード大学医学部、ノルウェー・ベルゲン大学、米国マウントサイナイ アイカーン医科大学、英国リーズ大学、ノルウェー・オスロ大学附属病院の研究者らが、“全粒穀物消費量と心血管疾患、がん、全原因死亡および死因別死亡リスク: 用量反応メタ解析”について報告をしたので、その論文概要を紹介します。

 

目的

   目的は、全粒穀物および特定穀物消費量と心血管疾患、全がん、全原因死亡および死因別死亡リスク間での用量反応関係を評価することです。

 

方法

   PubMedとEmbaseのデータベースから2016年4月3日までに公開された論文を検索しました。

 

   全粒穀物および特定穀物摂取量と心血管疾患、全がん、全原因死亡および死因別死亡との調整相対リスクの関連を報告した前向き研究45件(64論文)を特定し、ランダム効果モデルを用いて相対リスクおよび95%信頼区間(95%CI)を算出しました。

 

結果

   全粒穀物摂取量が1日90 g増加すれば(90 gは3食分に相当し、たとえば全粒パン2枚と全粒シリアル1杯または全粒ピタパン1.5枚)、相対リスクは冠動脈疾患0.81〔(リスクが19%低下するという意味で以下同様です)95%CI、0.75-0.87、I(2)=9%、n=7〕、脳卒中0.88(95%CI、0.75-1.03、I(2)=56%、n=6)、心血管疾患0.78(95%CI、0.73-0.85、I(2)=40%、n=10)それぞれで低下しました。

 

   また、死亡の相対リスクは、全がん0.85(95%CI、0.80-0.91、I(2)=37%、n=6)、全死亡0.83(95%CI、0.77-0.90、I(2)=83%、n=11)、呼吸器疾患0.78(95%CI、0.70-0.87、I(2)=0%、n=4)、糖尿病0.49(95%CI、0.23-1.05、I(2)=85%、n=4)、感染症0.74(95%CI、0.56-0.96、I(2)=0%、n=3)、神経疾患1.15(95%CI、0.66-2.02、I(2)­=79%、n=2)、非血管疾患または非がんによる死亡0.78(95%CI、0.75-0.82、I(2)=0%、n=5)で、それぞれ同様に低下しました。

 

   1日210〜225gまでの摂取量(7〜7.5食/日)では、多くの評価項目で相対リスクの低下が認められました。全粒パン、全粒朝食シリアル、ブラン添加など、特定の種類の全粒穀物およびパン全体ならびに朝食用シリアル全体で、心血管疾患や全死亡リスクの低下と関連は認めましたが、精製穀物、白米、米全体あるいは穀物全体では関連性はほとんど認められませんでした。

 

結論

   このメタ解析は、全粒穀物摂取量は冠動脈疾患、心血管疾患と全がん、および全死亡、呼吸器疾患、感染症、糖尿病、非血管疾患または非がんによる死亡のリスク低下と関連しているという更なるエビデンスを示します。

 

   これらの調査結果は、慢性疾患および早期死亡リスクを軽減するために、全粒穀物摂取量の増加を勧める食事のガイドラインを支持します。

 

 

参考資料:

Aune D, Keum N, Giovannucci E, Fadnes LT, Boffetta P, Greenwood DC, Tonstad S, Vatten LJ, Riboli E, Norat T. Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. BMJ. 2016 Jun 14;353:i2716. doi: 10.1136/bmj.i2716.

http://www.bmj.com/content/353/bmj.i2716

 

 

 

コメント

   この研究は、全粒穀物摂取量と慢性疾患および死亡リスクとの関連を調査するため2016年4月3日までに報告された前向き研究45件(64論文)を解析し、全粒穀物摂取量は冠動脈疾患、心血管疾患と全がん、および全死亡、呼吸器疾患、感染症、糖尿病、非血管疾患または非がんによる死亡のリスク低下と関連しているというエビデンスを示したことに意義があります。

 

   なお、この論文の序文に「全粒穀物は、繊維、ビタミンB群、鉄、マグネシウム、および亜鉛などいくつかの微量ミネラルの良い摂取源です。」と1ヶ所のみにしか言及していませんが、マグネシウムは明らかに慢性疾患および死亡リスク低下との関連があります。

 

   当ホームページでは、全粒穀物、マグネシウムと糖尿病、高血圧やメタボリックシンドロームなどとの密接な関係についても解説して来ました。

 

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